約12万円もの有り難い(?)見積もりを貰ったラジエター故障。10万キロ近く走っている車に乗る方なら、誰でも不意に同様のトラブルに見舞われることはあります。そもそもラジエターとは何ぞや?という方のために簡単に説明します。

ラジエターとは、英語Radiatorの日本語読みで、意味は「放射するもの」ということです。Radiationと言えば放射能のことで、国内外でニュースになった放射能漏れ事故も、海外のニュースではこの言葉が頻繁に使われていました。では、車のラジエターは何を放射するのか?と言えば、これはエンジンの熱です。
エンジン内はピストン等の金属部品が超高速で動き回っていますから、どうしても高温になります。何百度という温度になっていき、これが進みすぎると「オーバーヒート」と言うトラブルにつながります。高温になり過ぎたエンジン内部は、焼き付きを起こしてしまう恐れがあり、大きなダメージとなり得ます。これを防ぐために、エンジンの周囲にパイプを張り巡らせて、その中に水を通すことによってエンジンの熱を奪います。これによってエンジンは冷えますが、熱を貰った水の方は、100度を越える高温になります。そこで、走行風によってこの水の温度を下げて、冷たくなった水を再びエンジンの周りに巡らせる、という寸法です。
この冷却水路のうち、走行風を当てる部分がラジエターと呼ばれています。従って、エンジンルームの一番前、バンパーに近い場所に位置しています。この位置にあるため、衝突事故を起こした際には、バンパーだけの傷なのか、ラジエターまで傷がついているのかによって、ダメージが大きく違います。ラジエターまで破損してしまうと、すぐオーバーヒートしてしまいますし、液漏れの恐れもあるため、自走することはできません。
なお、車のバンパーには必ずスリット(穴)が開いていて、そこからのぞき込むと「コア」と呼ばれるフィン形状のものが見えます。まるで脳味噌を小さく、規則的にしたような形ですが、これは表面積を大きくすることで、走行風を効率的に受け取るための工夫です。
エンジンの熱を奪った水は、高温水となってラジエターへと運ばれる訳ですが、ラジエター上部につながる「アッパーホース」からラジエター内へと入ります。そして走行風で冷やされた水は、「ロワホース」と呼ばれる下部のホースを伝って再びエンジンへと流れていきます。従って、アッパーホースの方がより熱いため、パーツは熱害を受けやすいようです。今回私の車ヒビが入った部分も、アッパーホース付近の樹脂タンクでした。
posted by shift-up at 11:28|
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